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    アバルト595の電子制御システム

2018年12月2日

ドライコンディションでもウェットコンディションでも楽しめるようになったアバルト 595 コンペティツィオーネだが、速く走らせるにはそれなりのコツがいる。

そのコツというのは電子制御システムと上手く付き合うことなのだが、アバルト595にはTTCをON/OFFできるスイッチが設定されている。

このTTCとはトルク トランスファー コントロールと呼ばれるシステムで、ESCのシステムを併用して、LSDのような効果を得る機能である。

LSDが装着されていない一般的な車の場合、タイトコーナーからの脱出ではコーナー内側のタイヤに荷重がかかりにくくなるためグリップ力が低下して空転してしまうと、荷重のかかっている外側のタイヤに駆動力が伝わらなくなってしまう。

そうなると車は前に進みにくくなるため、そういった時に内側のタイヤにだけブレーキをかけて空転を抑制し、外側のタイヤに駆動力が伝わりにくくなるのを防ぐことによって、コーナーからの脱出加速が鈍くならないように作動してくれるのがTTCである。

アバルト595の場合、ノーマルモードではエンジン特性が燃費重視のプログラムになり、ABSやESCが早めに介入するのだが、スポーツモードではフルパワープログラムになり、ABSやESCの介入は遅くなるように設定されている。

そこで路面コンディションによって、TTCがどれほど有効なのかを試してみることにしたのだが、その結果、次のような結論に至った。

まずはドライコンディション

フラットな路面だとONでもOFFでもあまり変化を感じないのだが、凸凹のある路面でのコーナーリングになると、OFFでは脱出時のアクセルオンでアンダーステア傾向が強く、あまり前に進まないように感じる。
逆にONではその傾向が弱まり前に進んでくれるように感じる。
これは路面の凸凹がひどくなるほど分かりやすく、機械式LSDには敵わないがトルセン式LSDくらいの仕事はしてくれているようだ。

次にウェットコンディション

フラットな路面ではONの方がコーナーからの脱出加速が速くなるような気がするが、OFFでもあまり変化を感じない。
ところがONの状態で路面の凸凹に乗ってしまうと、いきなりアンダーステアになったり、オーバーステアになったりするため、車体の動きが予測できないのである。
この動きを予測して車体を制御できるようになれば、ONの方が速く走れそうに思うのだが、かなりシビアなステアリング操作とアクセルコントロールが必要なため、集中力を持続することが難しく、途中でリズムが崩れてしまいそうだ。

このような結果から、現状ではドライコンディションはON、ウェットコンディションはOFFを選択するのがベストだと判断しているが、これからもっと走り込んで自由自在に操れるようになれば、また違った結果になるかもしれない。

ノーマルモード
ノーマルというよりはほぼエコモード。
燃費や航続距離重視のディスプレイに変わり、エンジンもアクセルもちょっとイライラするくらいレスポンスが悪く乗りにくい。

スポーツモード
左下のブーストメーター中央の「SPORT」表示が点灯し、タコメーターが見やすいディスプレイに変わる。
街でもワインディングでもスポーツモードが一番乗りやすい。

TTCスイッチ
走行条件によってOFFかONを選択するのだが、あえて機械式LSDと組み合わせても良い効果が得られるかもしれない。

例えば立ち上がりを遅くした機械式LSDを装着した場合は、おそらくLSDが立ち上がるまではTTCが作動し、LSDが立ち上がるとTCCが止まるというような介入をすると思われる。
つまり立ち上がりを遅くした機械式LSDであれば、機械式LSD特有の低速時に起きるタイヤの内掻きを防ぎながら、LSD効果を最大に発揮することができるのではないだろうか?

ちなみにアバルト595の限定車には機械式LSD装着車があるのだが、TTCスイッチはそのまま残されているので、もしかするとそういった設定になっているのかもしれない?

そもそも電子制御システムなんてなければ、そんなことを考える必要もないのだが・・・

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Reference:netmania